なぜ、今の時代、「説明力」がないと稼げないのか?
情報化社会という言葉が広がってから20年ほどたちました。私たちは情報化に伴ってさまざまな恩恵を受けてきました。しかし一方で、情報が溢(あふ)れかえったために、人間が処理しきれないという“情報過多”が大きな問題となっています。
情報は価値の源泉ではあるのですが、ただただネット上などで情報を得るだけではいけません。今の時代、情報の適切な処理ができなければ、他者と差別化できません。つまり、資本主義経済の中では「稼げない」ということになります。
逆を言えば、多くの情報を適切に処理し、解釈に労を要する情報を他者にわかりやすく説明できるだけで、稼ぐことができるようになるのです。
例えば、テレビでおなじみの池上彰さん。彼がテレビで引っ張りだこの理由の一つは、説明がとてもわかりやすいから。人柄もさることながら、池上さんと言えば、「話がとてもわかりやすい人」というイメージですよね。
また、私が先日、対談させていただいたカリスマブロガーで作家でもあるはあちゅうさんもそう。彼女が執筆するネット記事や書籍は単にわかりやすいというだけではなく、説明が面白く、とてもエキサイティングです。
その他にも、売れっ子の講演家やセミナー講師などには年収3000万を超える方が多数います。そして、私の前職である予備校講師という職業も、「わかりやすい説明ができる」だけで人気が出て、そのまま年収に直結します。
ここで大切なことは、こういった説明スキルというものは、テレビのコメンテーターなどの一部の職業の人だけに必要なものではなく、今の時代、すべてのビジネスパーソンに欠かせない必須スキルだということです。
情報過多の世の中では、適切な情報を適切な人にわかりやすく説明するだけで「稼ぎ」が決まってしまうといっても過言ではないのでしょうか。
クビ寸前からカリスマ講師になれた理由
もともと私は大学受験予備校で化学という科目を教える講師でした。
予備校という業界は、いわゆる人気商売。生徒からの支持を得れば得るほど仕事は増えていき、年収も上がる世界です。
人気があれば、1年目の新人でも年収1000万円を超えることも可能です。
そういった業界の最大手の予備校である駿台予備学校(以下、駿台)というところで、私は10年間勤めました。駿台では季節講習会での生徒の受講者数で日本一になることができましたが、それもすべて説明スキルを磨いたおかげだと思っています。