親は子供が熱中できることを聞いてあげる
ただ、子供が幼少時に自分がのめり込む対象を見つけることができないケースも多いだろう。そんなときはどうしたらいいだろうか。菅原さんは語る。
「お子さんが何をしたいかわからない、またはやりたいことがあっても言い出せないでいると感じたら、まずは話をじっくり聞いてあげてください。『何をしているときが楽しい? 何が得意?』と、その子が興味を持つ方向性を探りながら、聞いてみてください。このとき親が先回りすることなく、焦らずに答えを待ちましょう。答えは子ども自身が持っています。親はいつも応援する気持ちで聞いてあげるのがいいですね」
さらに、菅原さんが父母講演会などで訴えるのは、親自身も何か夢中になれるものを探してそれを積極的に実践することの重要性だという。
「多くの親御さんは、家族や子供のためにと、自分のことは後回しにしているのでしょう。でも、親御さんの生き生きとしている姿こそがお子さんへの励みになるのではないでしょうか。私の大好きな言葉に、“夢のタマゴ”というのがあります。これは、ノーベル賞を受賞した小柴昌俊さんが母校の生徒に向けた言葉。『夢のタマゴを持ち続けて頑張ってごらんなさい。道は開けるかもしれないよ』というメッセージです。小柴さんが言う通り、夢のタマゴは温めておくことができます。親も子もやりたいと思ったときがスタート地点。遅いということはありません」
※雑誌『プレジデントFamily』2018夏号では、「『熱中体験する子』がグンと伸びる!」と題した特集の中で、子供時代の熱中体験が将来的な成功につながりやすいことや、子供が思い切り何かに打ち込める家庭の条件、菅原さんによるコラム「一流を育てる親」のほか、何かに熱中している小中学生6人のルポなども掲載している。ぜひ誌面をご覧いただきたい。