「サービスが先、利益は後」だが2年以内に黒字化目指す

【田原】いま山に登るのは中高年。スマホのメインユーザーとは層が違う気がするけど、どうしてそんなにダウンロードされてるんだろう?

【春山】中高年の方を含めユーザーへのカスタマーサポートを真摯に続けているからだと思います。そのおかげで口コミによって評判が広がり、アプリのダウンロードの増加につながっていきました。

【田原】YAMAPは無料ですか。

【春山】無料でも使えます。いまはまだ「サービスが先、利益は後」のスタンスでやっています。累計で約14億円の出資を受けているので、当面はサービス優先でやっていきます。

【田原】どうやって収益化しますか?

【春山】マネタイズは大きく2つの方向でやっていきます。1つはサポーター会員(有料会員)制度。フルカラーの地図やスタンプなど一部機能を有料化しており、月額480円のサポーター会員になっていただくとそれらの機能を利用できます。もう1つは販売。アウトドア保険や、アウトドア用品をYAMAPのECサイトで売っています。2年以内には黒字化する計画です。

【田原】将来は海外展開する?

【春山】やっていきたいです。国内のビジネスモデルを盤石にし、収益が安定したタイミングでアメリカや台湾などアウトドアが盛んな国へ進出していきたいです。グローバルニッチのポジションをとることが地方企業として今後のたたかい方になると思っています。

【田原】わかりました。頑張ってください。

春山さんから田原さんへの質問

Q. 自然と触れ合った体験は?

登山の経験はそれなりにありますよ。滋賀の彦根出身なので、子どものころは山が身近にありました。学生のころにもいくつか登ったかな。

日本テレビのドキュメンタリー番組で、夏の谷川岳にも登りました。谷川岳は、日本でもっとも危険と言われている山の1つ。そこに、どうして登ろうとするのか。命を懸けてまで登ろうとする理由を知りたくて、登る人を取材したんです。みなさん自分に挑んでいる印象でした。

取材後、僕は自然よりも人間のほうがずっとミステリアスでおもしろいと思っちゃいましたね。いまは自然に触れるよりも、人と会って話すことに時間を使いたいのが正直な気持ちです。

田原総一朗の遺言:登山は自分に挑む手段の1つ

(構成=村上 敬 撮影=枦木 功)
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