規格外メロンから生まれた人気アイス

北海道産のメロンを使ったアイスもある。北海道産赤肉メロンの果肉をジュースにし、前述した道内産の生乳と組み合わせて、道内の工場でアイスに加工している。道内のメロン農家から、キズなどによる規格外メロンの活用について相談を受けたことがきっかけで生まれた商品だという。発売すると一躍人気商品になり、シャーベットやパフェなどのアイスシリーズへと発展。今ではジュース、サワーといった飲み物にもなっている。

「メロンバニラパフェ」300円(編集部撮影)

いくつか実際に商品を食べてみたが、どれもおいしく、ほかのコンビニでは味わえないものばかりだった。ホットシェフのおにぎりは店舗併設の厨房で炊いたご飯を使用していることもあり、一般的なコンビニのおにぎりと比べて鮮度が高い。北海道産の生乳を使用したアイスは圧倒的な濃厚さで、こちらもおいしかった。

付加価値の高い商品は、価格が高いのが普通だ。だが、セイコーマートはそこも違う。ホットシェフの「大きなおにぎり 和風ツナマヨ」は190円、PBブランドの「北海道とよとみ生乳95%ヨーグルト(80g×3パック)」は150円。いずれも筆者の感覚では割安に思える。

なぜ「高付加価値・低価格」を実現できているのか。その理由は、原材料の調達や製品の製造、物流、販売といった一連の商流の大部分を自社グループで担っていることにある。中間コストを徹底的に削減しているのだ。

セコマは食材や原材料を国内の農家や漁港から直接調達しているほか、ワインやバナナ、パスタソース、雑貨といった商材も、商社を介さずに海外から直接輸入している。バイヤーが現地におもむき、その目で品質を確かめて買い付けを行う。