面倒見のいい上司とセクハラ上司の相関関係
筆者は長年、人事担当者に企業内のセクハラ案件の取材をしているが、セクハラをする人とパワハラをする人は似た傾向があると聞く。
大勢の前で部下を怒鳴り散らす上司ほど、相手の立場に立って考えようとしない。こうしたタイプの中には、仕事はできて、リーダー的な存在という人もいる。部下の面倒見がよいという場合もあるようだ。しかし、その本性はあくまで自分優先で、周りの迷惑を省みることはない。
取材先の花見に同席したとき、新入社員の女性に対して「君はかわいいね」とか「いつ結婚するのか」などとセクハラ発言を平気で言う上司がいた。周囲に聞くと、この上司は独善的で、部下がミスをすると徹底的に叱りつけるタイプだということで納得した。他人の気持ちに配慮することがないパワハラ因子を持つ人は、確実にセクハラ因子も持っている。
そのような「いじめっ子」の因子を持つ人はどこの職場にも存在する。だからこそパワハラ、セクハラは絶対に許さないという企業風土が大事になる。会社が厳しい態度で臨めば、パワハラ因子を持つ人も行動が抑制される。パワハラ因子をもつ人間は、強い者には従いやすいからだ。
新入社員が入社し、研修を終えて各職場に配属される頃だ。歓迎会を開催するところも多いと思うが、今年の新人は労働環境には極めて敏感な世代だ。酒を飲んでのパワハラやセクハラまがいの発言にはくれぐれも注意が必要だろう。