園内は歩いて15分程度で一周でき、それほど広くはない。地図を片手に散策すると、さっそくビッグサンダー・マウンテン風の「鉱山小鎮」やスペース・マウンテン風の「星空過山車」など、ディズニーランドを彷彿とさせるアトラクションをそこかしこで発見。客が少ないのですぐに乗れるのかと思いきや、定員人数が集まらないと出発しないため、10分ほど待たされた。客が少なすぎて待たないといけないわけだ。
散策を続けていると、どこからともなく大音量のクラブミュージックが聞こえてきた。音のする方に行ってみると、ディズニーの七人の小人らしき着ぐるみが激しいダンスを踊っており、観衆が集まっていた。小規模ながらも、園内でパレードをしていたのだ。(編集部注:2007年に内外の批判を浴びた)八景山遊楽園ほど露骨ではなかったが、パクリ遊園地は健在だった。
ミッキーはダメ、小人はOK
翌日、眠い目をこすって朝8時に出勤すると、無事パレード担当の「演芸部」へと配属された。面接をした演芸部の女性部長に案内されて、出演者の待機する控え室へ入った。
室内にいた7~8人の同僚はみんな女性で、座ったままこちらをチラ見したが、すぐに各自メイクをしたり持参した朝食を食べ始めたりした。大げさに自己紹介するのも気が引けたので、ひとまず目の合った相手には笑顔で「ニーハオ」と挨拶しておいた。
席に座って休んでいたが、パクリキャラがいないかどうかが気になる。さりげなく室内を歩き回って物色していると、おお、あったあった、七人の小人の着ぐるみが、部屋の隅の方で無造作に転がっている。もう少し丁寧に並べてあげたら良いものを、頭の部分だけが床の上に乱雑に放置してあるから、生首が転がっているみたいだ。よく見ると洗濯が不十分で全体的に黒ずんでおり、目つきが何となくホンモノと違う。口元は笑顔でも目が笑っておらず、可愛らしさが決定的に欠けていた。
周囲の目を盗んでスマホで写真を撮り終え席に戻ると、演芸部の女性部長から、
「これ、倉庫に持って行って」
と何着かの衣装を渡された。衣装を抱えて倉庫へ運び、そのついでに倉庫の一角に目をやると、またもや発見。明らかにパクリと思われるミッキーとミニー、さらにはドナルドダックのかぶり物が鎮座していた。パクリミッキーは目つきが明らかにおかしいので、すぐパクリとわかる。ネットニュースで見たドナルドダックは、明らかにこれだ。どうせならこれをかぶりたい。