つまり、私はパフォーマンスにおける自分の失敗パターンを把握しているということです。「こういう感覚を自分が持ったときには失敗しやすい」という直感がはたらくのです。「これは失敗するパターンだ。まずい」とあらかじめわかるようになれば、そこでチャレンジを中止したり、解決策を試したりすることができるようになります。
自分の「失敗パターン」を把握する
つまり、自分の失敗パターンについての内的な学びを蓄積していくことによって、失敗を回避するための直観が磨かれていくことになるのです。
ちなみに、成功のパターンについては、直観を磨くのは困難です。うまくいったときというのは、成功の理由を特定しにくいからです。自分の知らない運命の巡り合わせなどがあって成功している可能性もあるので、何が功を奏したのか、よくわからないことが多いのです。
これに対して、失敗の原因は明確なので、たくさんのケースを省みて、その類似点を探し、自分の失敗パターンを把握することができるというわけです。
普通に失敗を繰り返すだけでは、失敗パターンに気づくまでには相当な量の経験が必要でしょう。しかし、失敗を記録し、振り返り、比較するという努力で、より早く、より少ない経験でこの境地に至ることができます。
そして次の段階では、外的な学びと内的な学びを組み合わせましょう。
失敗パターンを把握した上で、それを解決策と結びつけ、自分の中で「こうすればこのタイプの失敗は解決できる。乗り越えられる」というエッセンス化を行うのです。
たとえば、Aの失敗・Bの失敗・Cの失敗から、共通する失敗パターンが明らかになったとしましょう。A、B、Cには、それぞれ失敗を乗り越えた解決策のエッセンスも記録されています。
これを組み合わせると、自分の失敗パターンを乗り越える解決パターンを作ることができるのです。