“老化”は成熟と捉えてもらうためには
人は誰でも、「いつまでも若々しくてできる人」と思われたいし、そうありたいものです。しかし、自然の摂理で、なかなか思うようにはいかなくなってきます。
とはいえ、老化=衰えと捉えるのは、一面的な見方でしかないのです。年齢を重ね、経験を積むことで、人は多くのことを学び、人として成熟をしていくのです。特にコミュニケーションは経験を積めば積むほど、相手という存在を知り、言葉を覚え、活用していくものです。
変化のスピードが速く、「十年一昔」はいまや「三年一昔」と言われる時代です。
とはいえ、「変わらないもの」は存在し、相手に思いを伝える手段の話し方は、原理原則があって、いまでも変わらないものが多いのです。
そのことを熟知しているのが、年配者なのです。
せっかくの成熟した経験を、言葉ひとつで、「卑屈」にしてしまうのは、自分を低く見積もりすぎているのではないでしょうか。
「もう年だから」
「毎日疲れてね」
「オレなんかでいいの?」
「ダメダメできるわけないだろう」
「もうおじさんだから、おばさんだから」
「どうせオレが言っても聞いてくれない」
「ごめん、わるいね、すまないね」
「もう時代が違うから」
話し方能力向上協会 代表理事
1961年中央大学法学部卒業、大和運輸(現・ヤマト運輸)入社。1967年、言論科学研究所理事を経て、1983年、話し方研究所を設立。会長職を経て、現職。自治大学校講師。従来のコミュニケーション手法が通用しなくなりつつある状況の中で、世代や価値観の相違を超えた、新しいコミュニケーションのとり方について提言、提唱している。『人は「話し方」で9割変わる』など著書多数。