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電車ですぐスマホではなく……

大型ショッピングセンターの駐車場で、妻や家族が買い物している間、クルマの中で昼寝をしている男性を見かける。前夜、就寝したのが遅くて、仮眠を取っているのかもしれないが、その多くは妻の買い物に付き合いたくない、あるいは買い物が嫌いという人だろう。電車や地下鉄に乗り込むと、すかさずスマートフォンを取り出し、ゲームをしたりSNSを見たり、LINEやメッセンジャーでやり取りする人がいる。こういった時間の過ごし方が、一般的なのだろう。

だが、観察眼を磨いている人は、問題意識を持った上で家人や友人の買い物に付き合い、なぜその商品を購入したのか、その理由や背景を日々探っている。公共交通機関を利用するときは、乗り込んでくる人たちのファッションや持ち物を観察し、そこからトレンドを探っている。安価で人気のイタリア料理のレストランチェーンや焼き鳥チェーンのことを耳にすれば、実際に自分で利用し、顧客層とそのタイプを見ながら、人気の理由を探っている。

問題意識を高め、観察眼を磨けば、新たな気づきや潜在的ニーズを発見できるようになる。自ら「仮説」を立て、立証していけるようにもなる。調査結果からしか判断できない人とは、ここで大きな差がつく。定量調査は、過去を知るバックミラーだといわれる。過去を分析しただけで、未来がつかめるとは限らない。にもかかわらず、なぜ多くのビジネスパーソンは調査データだけで物事を判断しようとするのか。

それは、まず問題意識を持っておらず、観察眼を通じて学んだ実態や未来を予測する力、そして顧客の消費心理を肌で感じる皮膚感を備えていない人が、ビジネス界には多いという証だろう。

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