では、異性のどんなところに目を向けて評価していけば良いかというと……率直に言えば「全部」です。

熊代亨『「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?』(イースト・プレス)

言葉の選び方、衣食住に対する感覚、生活習慣、人間関係、職場での評価、知識教養、どんなスポーツや趣味にどんな姿勢で取り組んでいるのか、人生哲学などなど、すべてが含まれます。

私はあえて、ここに「性格」という言葉を入れませんでした。というのも、その人の内面に宿る「性格」とは、言動や表情に表れるものだからです。言葉や表情は、一番外側に現れてきたその人の「性格」です。逆に言うと、内面ではどんなに良い人だったとしても、言葉遣いがしばしば荒々しくなったり、表情が優れなかったりすれば、他人には「性格の悪い人」にしか見えません。相手に求める条件としてしばしば挙げられる「性格の良いパートナー」とは、実質的には「自分にとって付き合いやすく、ストレスのたまりにくいパートナー」と言い換えられます。

相手の生活習慣の細部をよく見ること

たとえば生活習慣がしっかりしている人、衣食住のメンテナンスができている人は、そうでない人より付き合いやすいでしょう。不規則で偏った食事を続けたり散らかりっぱなしの環境に住んだりしていると日中の活動の質が落ちてしまいますし、病気のリスク要因としても軽視できません。付き合いやすいパートナーについて考える際に、そうした部分に着眼しないのはバランスを欠きます。

表情や言葉遣いはもっと重要です。

どんなに顔立ちや体形が優れていても、表情が乏しい人は付き合いやすくありません。そのような人をパートナーにすると、表情を通して相手の気持ちを知るのが難しく、意思疎通にたびたび苦労するでしょう。対照的に、わかりやすい表情を適切につくれる人なら意思疎通しやすいぶん、誤解やすれ違いも起こりにくく、パートナーとして長く付き合うには適しています。