産経社説は返す刀でこうも力説する。

「同時期に訪韓する米国のペンス副大統領が開会式前に来日する。歩調を合わせ、北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄させるのにいま必要なのは、圧力の強化であると文氏に説くべきだ」
「北朝鮮は日米韓の連携を崩すのを狙っている。美女応援団に喜んでいる場合ではない」

産経新聞の論説委員たちはどこまでも「圧力」が好きなのだろう。たしかに圧力には効果もある。だが圧力の強化だけではやがて戦争を引き起こす。それは歴史が証明している。

ならばあのしたたかな北朝鮮をどう扱えばいいのか。北朝鮮のしたたかさを逆手にとることが一番だ。

他紙より2週間も早かった毎日の鋭さ

ところで毎日新聞は1月12日という早い段階から、社説で「むしろ出席した方がいい」との見出しを立てて、「首相はホスト国に敬意を表し、開会式に出席することで、韓国に対する立場を強めることができるのではないか」と主張している。

その理由については次のように解説している。

「開会式に欠席すれば、隣国同士の日韓の冷え込みを内外に強く印象付けることになるだろう。日韓の離反が鮮明になれば北朝鮮を利するだけだ」

他紙の社説よりも2週間近くも早く、こう指摘できるのは素晴らしいと思う。それだけ担当の論説委員が日々のニュースをしっかり把握し、社説として扱うにはどう議論すべきかを考えているのだろう。

前述したように安倍首相が出席するか、しないかは高度な政治判断が必要だったはずだ。安倍首相は官邸メンバーの意見をいろいろと聞いたうえで、最終的にはひとりで決断したのだろう。決断したからにはきちんと実行してほしいし、「さすが日本の首相」と韓国を納得させるだけの懐の深さを示すべきである。

それには「隠し球」や「懐刀」が必要だ。安倍首相はそれを持っているのだろうか、心配でもある。

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