財形貯蓄や持株会とは違うのか?
財形貯蓄制度を導入している企業が、社員の給与や賞与から、各人が申請した一定額を天引きして行う貯蓄制度。「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類がある。「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」は、双方の合計で最高550万円までの利子等が非課税となる。
▼「選択制確定拠出年金」
選択制確定拠出年金を導入している企業が、社員の給与から、各人が申請した一定額を確定拠出年金に拠出できる制度。労使合意に基づいて、法定(現在は、最大5万5000円)の範囲内で、拠出上限額などを決定する。社員にとっては、拠出した分の給与が減った形になるため、所得税や住民税、社会保険料の自己負担分が軽減できるなどのメリットがある。
▼「従業員持株会」
主に上場企業などで、従業員が持株会を設立して、自社の株式を継続的に購入する制度。社員の給与や賞与から、各人が申請した一定額を天引きして購入される。会社が奨励金などを支給することで、社員側のメリットを設けるケースが多い。通常はインサイダー取引として規制されている、自社の株式を保有することができる。
それぞれ、社員各人の自由意思により金額を決定し、給与や賞与から天引きされた上で、対象となる金融商品の購入などに充てられます。この点では、GMOが実施するビットコインの受け取りも同様です。本人が嫌なら全額給与支払いを選べばいいだけですので、しくみ自体には問題なさそうです。
そのため、論点はビットコインを対象とすることの是非、ということになりそうです。仮想通貨は、財形貯蓄や確定拠出年金、自社株とはどこが違うのでしょうか。
ビットコインは、2017年は年初から、20倍の価格にまで跳ね上がりました。1日で10%や20%乱高下することも珍しくありません。否定的な意見の中心は、このように極めて不安定なものへの投資を会社が推進してよいのか、といった内容です。
この点への反論としては、「確定拠出年金や自社株だって、値上がりも値下がりもするじゃないか。財形貯蓄は値下がりしないけど、金利だってほとんど付かないじゃないか」といったことになるでしょうか。バブル崩壊後は、たいていの株式や投資信託は、長年値下がりを続けていました。「持株会なんて、まっぴらごめん」と思っている中高年の人も多いと思います。