慶應中等部を受験するならフレンチのフルコースを
2016年の慶應義塾中等部では次のような問題が出されている。
<おせち料理には、「昆布巻き=よろこぶ」、「数の子=子どもがたくさん生まれるように」などのように、おめでたいこと・願いごとと結びつけられている品目がたくさん含まれています。そこで、あなたがおせち料理に新たに加えたい一品を挙げ、それと結びつけられるおめでたいこと・願いごとを20字以内で答えなさい>
「新たに加えたい一品」を挙げよ、というちょっとひねった出題である。大手中学受験塾の四谷大塚は次のような優れた解答例を出していた。
(解答例1)ケーキ:景気が良くなるように願うこと。
(解答例2)カブの天ぷら:株価が上がるように願うこと。
この解答案の作成者は株式投資が趣味なのかもしれない。というのは冗談だが、正月にはぜひ、おせちを使って親子で会話を弾ませてほしい。
▼慶應中等部ではフランス料理のマナーを問う
さて、慶應中等部では同じ年、次のような問題も出題されている。
<フランス料理のマナーとして正しくないものを選びなさい。
1 皿を手にとって食べる
2 食事の合間に一息つくときは、フォークとナイフを「ハの字」にして皿の上に置く。
3 食べ終わったら、フォークとナイフをそろえて皿の上に置く>
正解は1。この問題を私の塾の生徒に解かせたら、全員が正解した。でも、“テクニック”で解いた生徒もいたのだ。いわく、「皿を手にとって食べるのは重いからおかしいと思った」とのこと。確かに受験生としては合理的な解き方だが、2や3を知っておいてほしいというのが学校側のメッセージなのだろう。