2015年に稼働した千葉県のパン工場

実は、コメダがコッペパン店を出した背景には、千葉県印西市にあるコメダ千葉工場の存在抜きでは語れない、

もともとコメダ珈琲店のトーストやサンドイッチ、ハンバーガー、シロノワールで使われるパンは、本拠地がある愛知県のパン工場3拠点で生産し、各店舗に納入していた。それが店舗拡大によるパンの需要増に対応するため、2015年に千葉工場を新設したのだ。北海道から関東まで、東日本地区のコメダ珈琲店に供給するパンはこの工場でつくられる。

(上)千葉工場の外観。(下)千葉工場でのバンの生産ライン。これはシロノワールのデニッシュだ。(2016年5月、筆者撮影)

筆者も昨年、同工場を取材したが、食パンの製造機械などは圧巻だった。工業団地にある新しい工場なので「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)も配慮され、作業動線も優れていた。千葉工場ができて以来、稼働態勢に余裕ができ、名古屋地区のパン工場の負担も減ったという。名古屋でも東京でも、コッペパンの供給がしやすくなったのだ。

コッペパンはコメダ珈琲店では買えないが、食パンは買うことができる。「全店舗の98%がFC店ですが、FC店を通じて『お客さまからパン販売について要望がある』という声が相次いだので、2年前から本格的に販売しています」(清水氏)

せっかくコメダがやるのなら、コッペパン店も「カフェ併設でやってほしい」という声があるかもしれない。だが、ソラマチや百貨店という一等地のビルイン店ではむずかしい。店舗面積をそれなりに確保する必要があり、店内での調理などに各種の届け出も必要となる。一等地の家賃負担は重く、人件費を含めたビジネスモデルとしては厳しいのだ。