機嫌の悪さを周囲に撒き散らしていても、いいことは何もない。職場でも家庭でも、信頼関係にはヒビが入るばかりだ。それでも一部の男性は不機嫌さをあらわにしてしまう。1000人以上の男女から恋愛相談を受けてきたユニット「桃山商事」が、その知見から、「話しかけるなオーラ」を放つ男の心理と、その行き着く先を説く。

※以下は『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス刊)第3章「男ってなんなの?」より抜粋引用し、冒頭に加筆したものです。

「不機嫌な男」の抱える問題点とは?

不機嫌な夫、不機嫌な上司、不機嫌な彼氏、不機嫌な先輩、不機嫌なセフレ……。恋愛でも家庭でも仕事でも、「不機嫌な男」に悩まされている女性は少なくありません。実際に我々のもとには、「不機嫌な男」たちにまつわる相談が数多く寄せられます。この記事のタイトルを見て、ぎくりとした方も多いのではないでしょうか。

申し遅れましたが、我々は「桃山商事」というユニットで、恋愛に悩む女性の話を聞く活動や、ウェブメディアでの恋愛相談を行なっています。お悩みの内容は多岐にわたるのですが、相談者さんが「男性とのコミュニケーション」に悩んでいる場合には、男性側に明らかな問題があるケースも数多くあります。そのような相談に回答する際には、男性である我々自身も他人事ではなく当事者として問題に向き合うことになります。

今回ご紹介するのは、29歳の洋子さんから寄せられた相談ですが、ここには典型的な「不機嫌な男」が描写されています。「不機嫌な男」は、なぜ女性の前ですぐに不機嫌になってしまうのでしょうか? 「不機嫌な男」の抱える問題点とは? 女性たちの目に映る我々男性の姿を見つめながら、この問題について考えていきたいと思います。

それではまず、「私は何か悪いことをしたのでしょうか」と悩む洋子さん(29歳)から寄せられた相談文をご紹介します。


『生き抜くための恋愛相談』(桃山商事/イースト・プレス刊)

上司にも同僚にも、職場だというのにすぐ不機嫌になって“話しかけるなオーラ”を出してくる男性がたくさんいます。

恋人だって、何か地雷を踏んだのか急に不機嫌になることがあります。しかも、機嫌が悪いかどうかたずねると、いつも「別に悪くねーよ」と言われます……。

これってどういう心理状態なんでしょうか? 男性はどんなときに機嫌が悪くなるの?

(29歳・洋子)


洋子さんは不機嫌になる男性の心理状態とそのタイミングを知りたがっています。また、〈地雷を踏んだ〉という表現が示すように、自分に原因があるかもしれないとも疑っている。これが洋子さんの現在地です。

とにかく「わからない」男の不機嫌

このような悩みが発生するのは、とにかく「わからない」からです。そして、その「わからない」はおそらく次の3つに分解することができます。

(1)不機嫌になった理由がわからない
(2)不機嫌になった理由を説明しない理由がわからない
(3)対処方法がわからない

まず(1)ですが、男性が不機嫌になった理由を女性がわからないのは、男性が説明しないからです。これはとてもシンプルですね。もちろん、不機嫌になるポイントが謎過ぎるという問題もあるのですが、謎であっても説明さえすればわかるのですから、やはり「説明しないから」ということになると思います(男性の不機嫌ポイントについては後述します)。

では、(2)はどうでしょう。洋子さんからしたら、「何か不満があるなら言えばいいのに……」「なんで黙ってんの?」という話だと思います。これは我々の実感なのですが、女性たちの恋バナを聞いていると、ディテールの細かさにいつも驚かされます。例えば「彼氏とケンカした」という話にしても、その経緯やきっかけはもちろん、彼がどのようなことを言い、それに対して自分がどう感じたのかを、臨場感たっぷりに伝えてくれます。自分の経験や感情を言語化することに長けているなと、いつも感じます。