笑顔ひとつでチョコ2000個分の幸福感

試しに、鏡に向かって笑顔と怒りの表情を作ってみてほしい。笑顔では眉が下がり、口角が上がるのに対し、怒りでは眉がつり上がり、ぐっと口がへの字になる。まったく対極の筋肉を使うことがわかるだろう。笑顔の表情を作ると、快感や多幸感を得られる神経伝達物質のドーパミンが増えるとされている。

心から喜んでいなくても、笑顔に似た表情を作るだけでも同じ効果が得られるというから面白い。例えば、箸を横にくわえ、笑顔に似た表情を作るだけでも、笑うのと同じ効果が得られるという。逆に、口をすぼめて箸をくわえて落ち込んだような表情になれば、自然と気分も落ち込んでくる。

このふたつの表情をしながら、例えば漫画を読んで面白さを評価すると……横に箸をくわえて笑顔のような表情を作ったときのほうが、高い評価が出やすくなるという。つまり、笑顔(のような表情)を作り、脳が笑顔の信号を受け取ることでポジティブな思考になりやすく、笑うのと同様の効果があるというのだ。逆に、怒りの表情をしながら読めば、怒りの感情を生み出しやすくなり、評価も厳しくなるだろう。

笑顔一つで、チョコレートバー2000個分のエンドルフィンが脳内に出るという。

笑顔の研究者ロン・ガットマンは、イギリスの研究者の実験を引用し、笑顔一つでチョコバー2000個分の(脳内で“幸せ”を生み出す)効果があるとしていた。チョコレートを食べると脳内でエンドルフィンが出るなど、幸福感をもたらす刺激が起こる。笑顔をつくるだけでも、それ以上の幸福感が得られるそうだ。

こうした笑顔の効果を、仕事や生活でどんな風に生かせるだろうか。

ビジネス運気が上がる、笑顔の効果

特別な場合を除けば、日常生活において、笑顔の人を見て悪い印象を受ける人はほとんどいない。ペンシルバニア州立大学の実験では、笑顔の人は雰囲気がよく、穏やかで、さらには有能そうな印象すら受けるという結果が出ている。少しの笑みは、その人の余裕を感じさせるものだ。

さらに、笑顔でいることで相手に安心感を与え、相手も話しやすくなる。すると、小さな出来事も話せるような関係性が作れて、コミュニケーションもなめらかになっていく。そうなれば何か問題があってもその問題が小さなうちに話ができ、プロジェクトの進行もスムーズになり、リスクマネジメントなどにも効果的に生かせるだろう。

笑顔は人をポジティブな思考にしてくれる。このことを理解したら、あとはスポーツ選手が繰り返して技術を学ぶように、思考パターンをトレーニングしてみるといい。こうした思考が身に付けば、ずっとポジティブな思考パターンが繰り返されるようになるものだ。