(3)フリーランス
クラウドソーシングの拡大により、注目が集まっているフリーランスという働き方。クラウドソーシング仲介大手のランサーズが実施したフリーランス実態調査2017年版によると、日本における広義のフリーランス数が推計1122万人(労働力人口の17%)にまで増加しています。
フリーランスは、特定の企業や組織に属さずに働く人ですので、やはり今回の残業規制の対象外です。仕事を請けるかどうかも自由(フリー)に決められるのですから、長時間労働を避けたいのであれば、仕事を請けなければいい、ということになります。
ところが、フリーランスの中には、生活費を確保するため、長時間労働を強いられている人がいます。クラウドソーシング自体のマーケットは拡大しているものの、業務単価はなかなか上がらないからです。
フリーランスが増えれば増えるだけ、競争原理が働き、発注価格の低下により生産性向上とは逆の方向に進んでいるように見えます。
学校の先生は月80時間以上の残業は当たり前?
(4)公立学校の教師
公立小中学校の先生の大半が、月80時間以上の残業をしているといわれています。ところが、残業について、文部科学省は以下のように説明しています。
「公立学校の管理職以外の教員には、労働基準法の時間外労働における割増賃金の規定が適用除外となっており、全員一律に給料に4パーセントの定率を乗じた額の教職調整額が支給されている。実態として月々の給与を支給する上で、管理職が部下である教員の時間外勤務の状況やその時間数を把握する必要に迫られることが少ない」(文部科学省のサイトより抜粋)
これは、明らかに民間企業のサラリーマンより厳しい条件ではないでしょうか。したがって、いずれ改善されると思われますが、現時点では対象外となっています。
このように、長時間労働規制の対象から外れた人たちは少なくありません。
「だって、経営者やフリーランスは、自分で仕事や時間を選択できる人たちなのだから、一般の労働者とは違って当然だろう」という意見も少なからずあるでしょう。
それはその通りなのですが、であれば企業や組織に勤める労働者に対しても、一律で時間規制するのではなく、各人の選択権を認めてはどうでしょうか。
企業勤務者には一律上限規制、その他はすべて対象外、という発想自体に無理があるように思われます。