ライフプラン掲げ夢と目標を実現
家庭にとってもフィロソフィーを持つことは重要です。
「家訓」的なものを想像しがちですが、「家族全員が元気で明るく仲良く暮らせる家計を目指す」といった、なるべくわかりやすいものがいいでしょう。そして目標、ライフプランを掲げておかないと、どういう夢や目標に向かって家計を運営していくかで方針も変わってきますし、家族として守るべきルールも変わってきます。方向性が定まらない状態では、ただ闇雲にお金を使ったり、貯めることになり非効率的です。なんのために経営改善をするのかがわからなくなって、結果的に長続きしません。
そのためにもフィロソフィーを実現するライフプランシート(http://president.jp/articles/-/18346?page=2)をつくりましょう。夢や目標を実現するには、そこまでの道筋を事前に立てておいたほうが実現の可能性がより高まります。ライフプランシートには家族が「いつ(何歳のときに)」「なにをするか」ということを書き込んでいきます。お金がかかる場合には、その予算も併せて記入しておきます。
ライフプランシートを書くコツは、最初に子どもの進学や、車の買い替えなど、時間の経過とともに自動的に起こるイベントを書き込んでいくことです。ライフプランシートの空欄が埋まるにつれて、将来のイメージも具体的に湧くようになります。さらに、最終的な目標達成のために、いつまでになにをするかも具体的に書き込みます。それぞれの予定を実行するのに必要な資金も記入します。するとそれを実現させるためには、妻がパートに出るべきか、それとも節約するべきか、などと具体的な方法も浮かんできます。
稲盛氏が社員全員の採算意識を高める目的で編み出したのが、小集団の「アメーバ」が行う「部門別採算制度」の手法です。これを基に家庭に簡単な方法で「採算」の意識を浸透させられるのが予算管理表の導入です。
家計をうまくやりくりし、貯蓄をする家庭では、収入-将来のための貯蓄-固定費=変動費(やりくり費)という考えが徹底しています。計算した変動費内で生活できるように知恵を絞るのです。変動費を日割り計算して、1カ月の計画内に収めるよう予算を立て、調整するのがいいでしょう。