削減できる固定費は保険料と通信費
このような説明では、収入を増やす以外に貯金を殖やす方法は無いのか? と文句を言われてしまいそうだが、自著『一生お金に困らない人 死ぬまでお金に困る人』では節約が可能な「固定費」として、通信費と保険料を挙げた。
すでにおなじみとなった格安携帯や格安SIMは携帯料金を劇的に減らすことが可能となる。保険料も平均で月額4万円と言われるが、家計支出の中でもかなり大きな額を占める。
格安携帯で節約、といった話はFPがわざわざ解説するような内容ではないと考えていたのだが、確実にそして簡単に支出を削減できる事を考えれば決して馬鹿にできる額では無いと気付いてその効果を見直すようになった。
保険料については多数の家庭の保険加入状況を見てきたが、問題は概ね3つに分類される。
(1)保険に入り過ぎの過剰型
(2)中途半端に入っている不適切型
(3)全く加入していない危険型
(1)のケースは保険会社や保険代理店の提案に問題があり、たくさん入って多額の保険料を払っている割には万が一の死亡時の保障が少ない、という問題を抱えている(大半の家庭が過剰型に分類される)。(2)は独身時代に少し加入したまま見直しをせずに放置しているケースだ。結婚して子どもが生まれてこれから家を買う(あるいは家を買った)というライフステージと全くマッチしていないため、当然のことながら見直しが必要だ。(3)は幸か不幸かこれまで保険に勧誘されたことが全く無いために未加入のままという状況だ。
(1)は節約の余地は大きく、月額で数万円単位の支出削減が可能となる。(2)は保障内容を組み替えれば保険料はそのままで保障を手厚くすることが可能なケースも多い。(3)のケースは新規の加入が必要で支出は増えてしまうが、30代の若い夫婦ならば2人合わせて1万円もあれば十分過ぎる保障を構築可能だ。これ位の額であれば生活のコストとしては許容範囲ではないかと思う。