妊婦は週1回(80g)以下に

また、日本人の大好きなマグロは、魚体が大きいものほど水銀含有レベルが高いのだとか。厚労省では、水銀の胎児への影響を懸念して、妊婦がクロマグロやメバチマグロを食べるのは週1回(80g)以下にするよう注意を促しています。

こうした魚の汚染物質問題に対し、モツァファーリアン教授とリム教授らは、米環境保護庁などのデータを検討。10万人が週2回、70年間養殖サーモンを食べ続けた場合の死亡リスクへの影響を計算しました。

その結果、PCB摂取のせいで24人ががんで死亡する可能性があるものの、7000人を心臓病による死亡から遠ざけられると判明しました。また、魚類に含まれるPCBおよびダイオキシンのレベルは、肉や乳製品、卵と同様にかなり低いと指摘しています。

とはいえ、「じゃあ安心だ。毎日マグロを食べまくろう!」と考えるのは早計かも。いろいろな種類の魚を食べることがリスク回避につながる「健康にいい食べ方」です。

 
大西睦子
内科医師・医学博士。東京女子医科大卒業。国立がんセンター、東京大学を経て、2007年から13年まで、米国ハーバード大学リサーチフェローとして、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。著書に『健康でいたければ「それ」は食べるな』『カロリーゼロにだまされるな』など。
(小澤啓司=構成)
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