金やプラチナを資産として、子どもや孫に贈与するケースもあるだろう。その場合には、贈与した時点の時価で贈与税を計算する。価格が下がっているときに贈与をすれば、有利ともいえる。
贈与税には、年間110万円の基礎控除がある。1年間の贈与額がこの範囲内なら、贈与税はかからない。110万円超えの場合には、贈与を受けた人が贈与を受けた翌年の3月15日までに申告をする必要がある。
では、贈与を受けた金やプラチナを売却したときはどうなるのか。
「売却益を計算する際は、贈与をした人の購入価格になります。たとえば、親から子へ贈与した金を子が売却する際には、親が購入したときの金額で売却益を計算するわけです」
贈与を受けるときには「いつ購入したのか」も確認しておいたほうがよいということだ。過去の価格推移は公表されているので、購入した時期さえわかれば、価格は判断できる。
「購入時期がどうしてもわからなければ、売却金額の5%を購入価格とすることもできます」
しかし、売却益が95%になってしまうわけだから、よほど昔に買ったものでなければ、不利になってしまう可能性がある。やはり、いつ購入したのかは、できるだけ明確にしておいたほうがよさそうだ。
大手税理士法人、外資系生命保険会社、千代田パートナーズ会計事務所を経て、儘田佳代子税理士事務所を開設。監修に『株・FX・投資信託一番トクする確定申告 平成28年3月15日申告分』など。