至高のプライドを持ち、神様目線を目指す

書道家の武田双雲氏はガラッと視点を変えて、「いっそのこと、天にも届くほど、思いっきりプライドを上げてしまったらどうか」と刺激的な提案をする。

「『誇り高き戦士』を目指すといい」。いわゆる「プライドの高い人」は、中途半端ゆえにネガティブに捉えられてしまう。「並の『上から目線』は嫌われるけど、『神様目線』にまでなれば逆に大丈夫」。

各界のトップクラスとの交流機会も多い武田氏だが、常に自分らしくいられるのは、そうした「神様目線」を獲得しているせいかもしれない。

「この前ASEAN(東南アジア諸国連合)の偉い方と対談させていただいたときも、地球規模からいって、ASEANにはまだまだポテンシャルがありますよ、なんて偉そうにいってしまった」と屈託なく笑う。

武田氏のような視点を獲得できれば、従来「失敗」だと思ってきたことが、取るに足らない些細なことに思えてくるに違いない。「失敗って意外と相対的なもの」と武田氏はいう。失敗の基準も人それぞれだと思えば、恐れるものはない。プライドを積極的に生かす手もあるのだ。

大平信孝(おおひら・のぶたか)
アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。独自に開発した「行動イノベーション」により、日本大学馬術部を2度の全国優勝に導くなど活躍。
 
平本あきお(ひらもと・あきお)
チームフロー代表取締役、メンタルコーチ。東京大学大学院修士課程修了。米国の心理学専門大学院(アドラー心理学)でカウンセリング心理学修士課程修了。
 
岩井俊憲(いわい・としのり)
ヒューマン・ギルド代表取締役、中小企業診断士、上級教育カウンセラー、アドラー心理学カウンセリング指導者。カウンセリング、カウンセラー養成や公開講座を行う。
 
小倉 広(おぐら・ひろし)
小倉広事務所代表取締役。組織人事コンサルタント、アドラー派の心理カウンセラー。リクルート、ソースネクスト常務、コンサルティング会社代表取締役を経て現職。
 
武田双雲(たけだ・そううん)
書道家。東京理科大学理工学部卒業。3歳より書道家である母に師事し、書の道を歩む。約3年間のNTT勤務を経て書道家として独立。独自の創作活動で注目を集める。
 
(大沢尚芳、榊 智朗=撮影 教えてくれる人:大平信孝、平本あきお、岩井俊憲、小倉広、武田双雲)
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