どのくらい勉強すればいいのか

カギとなるのは、勉強をはじめる前の「情報収集」だという。情報収集というとネット検索しがちだが、ネットには我流のTOEIC攻略法を掲げる人や、オタク的に得点アップを狙う人の情報があふれている。それらは「仕事のためにスコアを上げたい」というビジネスマン向きではない。

「口コミ情報がおすすめです。まわりで本当にスコアを上げた人を探して話を聞き、勉強法やテキストを参考にするのが確実です。また、大手の書店に行き、自分に合ったテキストを探すのも必要な時間」(中村氏)

勉強に取り組む前の「準備段階」に時間をかけることが、結局は得点アップへの近道になるようだ。では、具体的にはどの程度勉強すればいいのか。アンケートでは「1日の勉強時間は1時間未満」という人が半数を超えたが、中村氏の意見は少し違う。

「正直、1日1時間では勉強不足。通勤の往復2時間と、家に帰ってからの1時間。合計3時間が平日に必要な勉強時間です。休日も1日3時間は勉強時間をとりましょう。『仕事が忙しいから週末まとめて勉強する』という人もいますが、特にリスニングとリーディングは筋トレや楽器の練習と同じ。英語に触れない日をつくると、なかなか上達していかないんです」

短期間での得点アップを狙うためにも、日々の生活リズムに勉強時間を取り込む工夫が必要だろう。

そして2016年5月にはTOEICの出題形式に10年ぶりの変更があった。

「前回の改編のときも、最初の1年は試験内容が不安定でした。当然、市販のテキストもあまり洗練された内容ではありません。企業のIPテストなら現状の出題形式が1年間続くので、スコアを上げるならそちらが狙い目です」(同)

TOEIC100点アップする人はどのくらい勉強しているのか

※本調査は仕事をしている20歳以上の有職者で、TOEICの点数が100点以上伸びた男女500人(男380人、女120人)にインターネット調査したものです(調査期間:2016年1月15~21日)。

中村澄子
本調査で「信頼している著者」ナンバーワン。エール大学でMBA(経営学修士)を取得。東京・八重洲でTOEIC対策を指導する教室「すみれ塾」を主宰。著書にシリーズ累計80 万部超の『1日1分レッスン! 新TOEIC TEST 千本ノック!』ほか、2月新刊『時間がない人ほど上達する英語勉強法』など著書多数。
(山本祐之=撮影 アイブリッジ=アンケート調査協力)
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