それに俺の場合、先輩、後輩関係なく、笑いの才能のある人を単純にすごいと思うし、憧れるんです。極端な話、小学生でも尊敬できます。そこがいけないのかもしれないけど、「こいつには負けないぞ!」という気持ちにならないんですよね。自分にないものが多すぎるから、それはもう仕方ない。
大体、抜かれたことにカリカリして仕事がうまくいかなかったら、もったいないじゃないですか。仕事があるうちは幸福なんだ、ぐらいの気持ちになって、出世して偉くなるのがカッコいいという考えは、この際、捨てる。実際、上にいった人は大変ですから。忙しくなるし、プレッシャーはあるし、悪い結果が出たら全部責任負わされるし。下にいるほうが気楽なんです。
むしろ、上に立って、あなたとどう接するか戸惑っているのは後輩でしょ? 今やってる仕事が本当に好きなら、目の前のプロジェクトに集中して、どうすれば後輩の力になるか考えればいい。つまらない仕事してるから、つまらないプライドで悩むんじゃないですか! やっぱり後輩でも上に立ったら、それなりの才能があることを素直に認めなければ何も始まりませんよ!!
……あれ? ちょっと待ってくださいよ。全体通して、俺、自分の才能のなさについて語ってませんか? 確かに寂しい話、これから派手に花開く可能性は100%ないだろうな、と思うと落ち込むこともありますけど……。だから俺は人の悩みを聞いてる場合じゃないんですよ! 悩みを聞いてほしいぐらいなんだチクショー! これから俺はどうすればいいんですか! 読者のみなさん、教えてください(泣)!
1961年、兵庫県生まれ。現在、売れっ子の土田晃之、有吉弘行、劇団ひとりらが売れない時代によく面倒を見たことから後輩に慕われている。ファミリーネームは竜兵会。