パフォーマンス評価をより効果的にするために、専門家は次のようにアドバイスしている。

●財務状態を明確にする

マネジャーは年に1度の評価の日まで賞賛の言葉や奮起を促す言葉を溜め込んではいけない。

同様に、マネジャーは昇給やボーナスがどの程度になるかを評価の時期のずっと前に社員に知らせておくべきだ、とフルトヴェングラーは言う。会社の財務状態が悪化している場合、昇給やボーナスがなくなるかもしれないということを経営陣はできるだけ早く社員に知らせたほうがよい。

たとえば、過去数年間、平均4%の昇給を受けてきた社員が、今年は2%しか昇給しないとしよう。「2%の昇給に対するその社員の解釈は、ほとんどの社員がまったく昇給せず、きわめて優秀な者だけが2%昇給したのだということを知っているといないではずいぶん違う」と、センター・フォー・アプライド・リサーチの社長、リン・オッペンハイムは言う。同様に、市場が回復するまで雇用を守るために昇給は抑えられるといった情報が社員に与えられれば、「誰も喜びはしないが、ダメージを少なくすることはできる」。

●報酬を賢く使う

 「パフォーマンスの低い社員に『標準昇給』を与えるだけなら管理者として失格だ」とブースは言う。「意味のある評価にするためには、どの社員にも、良い結果であれ悪い結果であれ、結果についてアカウンタビリティーを負わせなくてはいけない。そうしなければ組織は失敗する」。

●じっくり話を聞く

評価の中心要素は、上司である自分がその部下によりよい支援を与えるにはどうすればよいかを探ることであり、それはとりもなおさず自分について不愉快なことを聞かされるかもしれないということだ。

さらに、本当に聞く気を持って評価に臨むマネジャーは、評価を通じて自分自身にも評価対象者にもチーム全体にも利益になるアイデアを手にする可能性が高い。