「仕事の見直しをすることは、特に本人と一緒にそうするなら、その社員が新しい負担に対処する有効な方法を見つける助けになり」、効率を高めることにもなる、とフルトヴェングラーは言う。「われわれはみな習慣と安住の動物だから、自分のやっていることの有効性を疑ったり、もっと良い方法があるのではないかと疑問を持ったりすることはなくなっている。だから、マネジャーと社員が一緒に仕事の見直しを行うことで、往々にして社員の負担が減り、社員は『新しい職務』にもっと興味を持てるようになる」。

また、「社員が負担につぶされてしまうことをあなたが心配していることを伝える」効果もある、と彼は言う。

では、職務の「修正(リシェーピング)」をした後の社員が標準以下のパフォーマンスしか示していない場合はどうだろう。マネジャーはまず、低いパフォーマンスが「スキルの問題か、意志の問題か」を見極める必要がある。前者の場合、その社員は自分が必要なスキルを持っていないことを自覚している。

オッペンハイムは言う。「組織の利益は優秀な人材を引き留めておくことにあるが、『優秀』とは、必要な役割や責任を遂行する能力と意志があることと定義することもできる。スキルと意志に合わせて職務を修正できれば、社員と新しい職務とのつながりが強まるはずだ。意思のギャップをなくすことができれば、組織にとっても社員にとっても利益になる」。

変化に抵抗する社員については、マネジャーはその社員に会社の現在のニーズを十分理解させる必要があると、オッペンハイムは言う。

「職務の修正はしょっちゅう行われることだ。評価は、社員の話をよく聞き、今の形の仕事がその社員に合っているかどうかを見極めるチャンスなのだ」

レイオフとリストラの時代には、パフォーマンス評価は評価する者にもされる者にも課題を突きつける。社員は変化した文脈の中で変化した役割に適応するという課題に直面し、マネジャーは、パフォーマンスの期待レベルを見直す一方で、その新しい役割をこなそうとしている社員の能力開発と士気を最も効果的に支援する方法を見つけなくてはいけない。

ブースは言う。「パフォーマンス評価プロセスに創造性の次元が追加され、そのプロセスが真に参加型のものになれば、企業と社員双方にとって利益になる新しい機会が生み出せるはずだ」。

(翻訳=ディプロマット)