――出馬にあたっては、20人の推薦人を集めるのに苦労していました。その玉木さんに、そんなにバラバラな議員たちをまとめる統治能力はあるのでしょうか。
9月7日、長野で社員マスカット農家を視察する玉木氏。このあとの顛末については「民進党代表選に水差す『蓮舫&玉木』事件 http://president.jp/articles/-/20168 」に詳しい

【玉木】そうですね。まず、明確な統治ルールを決めたいと思っています。言うなれば、企業のコーポレートガバナンスのようなものが必要です。なぜなら民進党では皆さんそれぞれ好きなときに好きなように発言している。それぞれ個々の論理では、正しいのかもしれません。しかし外部から見ると、党としてまとまりがないというか、バラバラな意見にしか見えません。受け取る国民の側からすると、個々に違う意見を聞かされると混乱します。対外的な発信のルールを徹底することは大事なことだと思います。

それと、支えたいと思ってもらえるリーダーにならなくてはなりません。その点、まだまだ自分は至らない点も多い。日々精進し、頑張らなくてはならない点だと思っています。

――出馬会見で「GNN(義理と人情と浪花節)」という言葉を用いて、義理人情の大切さに言及していました。それでコーポレートガバナンスのような党の統治ができるのですか。

【玉木】「できるできない」の話ではありません。(民進党が)生まれ変わろうとする覚悟を示すという意味で、やらなければなりません。

幼児教育・保育と国公立大学を完全無償化

――政策について聞かせてください。「こども国債」というユニークな政策を打ち出しています。これは何が狙いですか。

【玉木】「こども国債」は、人口問題・少子化対策に加え、アベノミクスに対抗する経済政策でもあります。現在約5兆円の子ども・子育て・教育関連の予算を今の倍の10兆円に増やし「人への投資」を大胆に進めます。

――その増えた5兆円で、具体的に何を実施するのでしょうか。

【玉木】まずは、0歳から5歳までの幼児教育・保育を完全無償化します。2つめは、国公立の大学の無償化です。その後、私学についても段階的に実施します。ただし、私学については、国公立並の学費を超える部分は自分でご負担いただくことになると思います。