“お金の悩みをほぐす”禅語

【知足安分(ちそくあんぶん)】

自分の分限を知り満足を知れば、心安らかに暮らすことができるという意味。お金もモノもないよりあったほうがいいですが、多ければ多いほど幸せになれるわけではありません。

【結果自然成(けっかじねんになる)】

結果は努力することで自然に生まれてくるもの。目の前のことに没頭しましょう。損得勘定で物事を判断し、金銭への執着が激しい人には不思議とお金は集まってきません。

【放下着(ほうげじゃく)】

いっさいの執着や思慮分別を放り捨てなさいということ。悩みが生まれる原因は、何かにとらわれているから。執着心を持たないのは難しいですが、減らすことは可能です。

【脚下照顧(きゃっかしょうこ)】

足元を見つめなさい。思い通りにならない未来に不安を抱いても仕方ありません。自分の立ち位置を確認し、今できることに全力を注ぐ。未来は現在の延長にあるのです。

【無一物中無尽蔵(むいちもつちゅうむじんぞう)】

何もないところにこそ、可能性が秘められている。一度得た財産や地位を失うことは辛いことですが、すんだことは仕方がないと思う強さも前に進むためには必要です。

【任運自在(にんうんじざい)】

巡り合わせの大きな流れに身を任せ、あれこれ考えない。思いが叶わないところから悩みは生じます。つまり悩みは自分自身で生み出しているものが多いのです。

【本来無一物(ほんらいむいちもつ)】

欲望は留まることなく、しかも一度手にした物や地位は手放したくない。しかし、生まれてきたときは何も持っていません。裸一貫こそが本来の姿なのです。

【禅即行動(ぜんそくこうどう)】

動かなければ何も始まらないし、動けばなんとかなる、なんらかの結果が出るのです。自分がよいと思ったことは、あれこれ頭で考えるのではなく、素直に行動してみましょう。

【善因善果(ぜんいんぜんか)悪因悪果(あくいんあっか)】

よい縁を結ぶとよい結果に結びつき、悪い縁を結ぶと悪い結果になる。執着心がつくと人は損得勘定ばかり考えるようになるので、ときには縁のリセットが必要です。

(成=遠藤 成 写真=若杉憲司)
関連記事
“仕事の悩みをほぐす”禅語
「禅」に学ぶ――変わりたいと思った時にすべきこと
世間、皮肉、我慢、縁起……ふだんよく使う言葉の本当の意味
お金がころがりこむ「朝型」人間の習慣10
全生庵七世住職 平井正修「ありのままの姿を見なさい」