公明支持層が「圧倒的に少ない」?

自民党都連が推薦する増田氏も、着実に追い上げている。3人の中で一番知名度が低かったため、当初は3人の中で最下位に甘んじていたが、選挙戦の後半に入ってぐんぐんと伸ばし始めた。週末に公表された朝日新聞のデータによればトップを走る小池氏との差は8ポイントで、1週間で逆転も可能な範囲まで迫っている。

もっとも今回の都知事選は、自民党都連にとって何がなんでも負けられない。選挙戦後半になってゼネコンなど有力企業にテコ入れするとともに、増田氏の固いというイメージを一掃するために、眼鏡を黒色のフレームから茶色のものに変えている。

このような情勢を見極めようとしているのが、公明党支持層かもしれない。国政及び都政レベルでは増田氏を支援しているが、期日前投票の数が圧倒的に少ないという調査データがあるからだ。

「小池が40、鳥越が24、増田が23というデータを見た。不思議なのは公明党支持者が回答者の5%程度しかいなかったこと。普段なら公明党支持層が40%くらいは占めるのに……」

増田選対の自民党関係者はこう打ち明ける。

また保守分裂のチャンスを生かすため、3度目の出馬を諦めた宇都宮健児氏の動向にも注目したい。宇都宮氏は7月23日夜に都内で開かれた『18歳からわかる!東京都知事選挙』に参加し、「ボランティアや選対のメンバーとの繋がりを通じて東京を変えていきたい」と支持者との結束を強調。鳥越陣営からの支援要請については「直接には来ていない」と述べており、今のところその気はないようだがこれからはどうなるか。

小池氏が負ければ小池氏ひとりの問題だが、増田氏が負ければ石原伸晃都連会長と内田茂同幹事長の責任問題が発生し、自民党東京都連は大きく変わらざるをえなくなる。鳥越氏が負ければ岡田代表と枝野幹事長の責任が問われ、民進党の代表選が早められることにもなりかねない。

このように、今回の都知事選は前回の参院選以上に政治的影響が大きいと思われる。果たして誰が最後に微笑むのか。

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