7月31日、東京都知事選が行われる。金銭スキャンダルによる任期途中の都知事辞任が続いた。短命な都知事が続くのは都民のためにならない、米国大統領選に倣い、都知事と副知事を1人ずつセットで選ぶ仕組みに変えるべき、と説くのは河野太郎消費者行政担当大臣だ。
猪瀬直樹氏、舛添要一氏と2人続けて、金銭スキャンダルによる任期途中の都知事の辞任が続いた。これを受けて、7月31日に東京都知事選が行われる。
猪瀬氏が当選した2012年12月の都知事選から数えると、5年間で3回目の都知事選ということになる。短期間に選挙を繰り返し行えば、選挙そのものに多額の金が使われることになる。その資金はもちろん、都民の血税から出たものだ。
何より、政治は一定期間以上続けなくては成果が出ない。首長がこう頻繁に変わるようでは、都政が滞ってしまう。「知事が任期をまっとうするためには、都知事選のやり方そのものを変えるべき。米国の大統領選のように、大統領と副大統領を一緒に選出する仕組みにしては」と提案しているのが、河野太郎消費者行政担当大臣である。
都知事選の仕組みをどう変えるべきか、提案内容の詳細と、現行の都知事選の問題点について河野氏に話を聞いた。
今の都知事選は50億円かけた知名度競争にすぎない
――舛添要一氏の都知事辞任問題を受けて、河野大臣は今後は知事と副知事をセットで選び、知事が任期中に辞任をしたら、副知事が知事に昇格して残余の期間を務めるべきだと発言されています。その真意をお聞かせください。
【河野】僕は猪瀬直樹さんが2013年末に辞任した時に、自民党内でこの提案をしています。5000万円を受け取った知事が辞任したことで、46億円をかけて都知事選をするのは問題ではないかと。それで当選した舛添さんがまたお金のことで辞任。短期間に知事が辞任するたびにそれだけの税金をかけて選挙をしていたら、都民はたまらないでしょう。
――これで東京都は、石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏、舛添要一氏と、3代連続で任期途中に知事が辞任しています。そのたびに巨額の税金が使われるのは多くの都民が納得していないでしょう。
【河野】無駄遣いもですが、もっと深刻な問題なのが、それだけの金をかけてまともな選挙が行われていないことですよ。今回は7月10日に参議院選挙が終わって、都知事選挙は7月14日に始まり、31日に投票日です。立候補者は例によって後出しじゃんけんでギリギリになって手を挙げるでしょうから、都民が候補者を知ってから投票まで、2週間ちょっとしかない。GDPでいえば国のなかに入れても世界で上位(11位)になる首都の1300万都民のリーダーを決めるのに、まともな討論会もほとんどなく、ロクに報道もされず、わずか17日で、「さあ投票してください」となれば、知名度投票にならざるを得ない。
選挙費用は民主主義のコストだからしょうがないと言いますが、都知事選挙は民主主義になっていない。知名度競争のコストでしかありません。都民はただの知名度競争に毎回50億円払っているんです。これはやっぱりおかしい。