締め切り時間設定で集中力をアップ
一見手抜きをするタイプがいいといいましたが、では、「自分は完璧主義タイプ」という人は、どうしたらいいのでしょうか? ご安心ください。次の2つのステップを踏めば、確実に転身することができます。
第1ステップは帰る時間を決めることです。それには、締め切り時間を設定し、時間内に作業を終わらせるように習慣づけるのが有効です。集中力を高めると、時間当たりの生産性は、3倍以上に向上できるそうです。元ラグビー日本代表監督の平尾誠二さんは、1日の練習時間を従来の5~6時間から2時間に制限しました。その結果、トレーニングの密度が高まり、試合中の選手の集中力がかえって増したといいます。
時間内に作業を終えることは、慣れないうちは難しいかもしれません。そこで初めのうちは、定型化された難度の低い業務で訓練するといいでしょう。「社内会議用レジュメを30分以内に完成させる」といった具合です。締め切り時間を設けるのに抵抗がある人は、終業後に「スポーツクラブのレッスン予約をする」といった予定を入れてみましょう。そうすれば、作業を強制的に切り上げざるをえなくなります。
そうやって作業スピードが上がったら、第2ステップでは力の入れどころと抜きどころを見極めていきます。ただし、仕事を仕分けして、力を抜くという芸当は簡単ではありません。もし選択を誤って重要な仕事をオミットすれば、大きなミスにつながるからです。
仕事の選択眼を養うためには、あえて“締め切りギリギリ”まで仕事に手をつけず、自分を追い込みます。人間は切羽詰まると、「火事場の馬鹿力」を発揮します。
まずは失敗をリカバリーできる仕事で試してみましょう。作業の優先順位の決め方、段取りなどに工夫が生まれるはずです。そうしたノウハウは、マネージャーになったとき、仕事を部下に任せるときにも役立ちますし、稼ぎも自ずとアップしていくでしょう。