極度の「MOTTAINAI」精神で家計が混沌

さらに今や、この言葉は「MOTTAINAI」として、世界共通語となった。
提唱するのは、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさん。彼女が、2005年の来日の際に感銘を受けたのが「もったいない」という日本語だったそうだ。

たった一言で、Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)という環境活動の3Rを表し、Respect(尊敬の念)までが込められている。なんと素晴らしい言葉だろうかと、マータイさんはいう。

もちろん、モノを大切にし、もったいないと感じる美しい心は、日本人ならある程度は持ち合わせている。また、それを否定するつもりはない。逆に、私自身も、日々の生活のなかで、もったいないと感じることがよくある。

ただ、この「もったいない」思想が、モノを処分できない、片付けられない行動の言い訳となっている場合も少なくないのだ。

お金が貯められない人は、掃除や片付け、整理整頓が苦手もしくは、できていない傾向が強い。お金を貯めるという行為は、目的を考えて、そのためにどうすれば良いか具体的な方法を検討し、それを実行する意思や行動力が必要となる。

きちんと貯蓄するには、支出の管理が必須であり、それには自分のウォンツ(Wants)とニーズ(Needs)の見極めが欠かせない。つまり、それが自分に必要なモノであれば、ニーズ。単に欲しいものならウォンツとなる。

整理整頓ができない、モノが捨てられないということは、それが自分にとって必要かどうかを判断できないために起こりやすい状態であり、その「混沌」は家計管理にもつながってくる。