だから私は最近の美魔女ブームが今後も継続するかというと懐疑的である。女性が美しさを保ちたいと願う欲求の背景には、男性の目線を強く意識しているという側面がある。女性が完全に力を取り戻して男性に並んだとき、彼女たちは男性から見られること、評価されることにいまほどの注意を払い、努力を続けるだろうか。私にはそうは思えない。
私は現在、大学で教鞭をとっているが、そこでも女性の強さを見せつけられる毎日だ。授業で「何か質問は」と聞いても、手を挙げるのは女子ばかりだ。教員も女性が増えており、新規採用では半分ぐらいが女性なのではないかという勢いである。
その原因の1つに男女の語学力の差が挙げられる。文部科学省の方針で、大学では教員に、英語で授業したり論文を書いたりする力が求められる。この採用基準でふるいをかけると、残るのは女性ばかりということになる。
こうした傾向は私の身の回りだけで見られるわけではない。日本学生支援機構が行った12年度の日本人学生留学状況調査では、海外に留学した学生約4万人のうち、実に66%が女子学生だった。相当な開きがある。これほどの差はいったい何から生じたのだろうか。