グローバル社会を牽引するのは女
その謎を解く鍵は外婚制にある。外婚制とは女性が一族から外へ出て別の集団に嫁ぐことだ。対立概念である内婚制においては一族の内部で結婚する。イスラム圏とインドをのぞくほとんどの文化は外婚制に分類される。いまほどに人の行き来が多くなかった時代では、隣村に行けばもう言葉が違った。その国の言葉がまったく理解できない状態で留学に行くようなものだ。そんな過酷な環境において、女性は語学適応能力を身につけざるをえなかったといえよう。これからの日本はその能力を生かした女性がグローバルな活躍をする国になるだろう。
女性の社会的地位が向上し、収入が増えることで、女性に選ばれる男性も変化する。金であれ、地位であれ、男が必死になって競争し、争いの果てに得たもので女性を引き寄せる時代はまもなく終わる。
少し前から女性の恋愛対象は金持ちだとか、かっこいいとかではなく、トークのうまい男に変化してきた。女性は心を落ち着かせたり、楽しませてくれる男を選ぶようになったということだ。だが、話がうまいとモテるというのを短絡的思考で実践しようとして、自分のことばかりしゃべる男は掃いて捨てるほどいるが、そういうことではない。自分をひけらかすのではなく、相手の女性をいかに気持ちよくさせることができるか、女性はそこを見ているのだ。
シングルマザーが増えた社会というのは、妻問婚、つまり夫が妻のもとへ通うことが当たり前であった1000年前に戻るようなものだ。かつて和歌が詠める男がもてはやされたように、いまでは話し上手がモテるというのも社会の回帰を思わせる。
女性が社会で活躍することが人口減少による閉塞を打破すると私は確信しているが、肝心の企業のほうが語学力のある女性の採用を渋るという不思議な現象が起きている。というのも、一昔前に英語ができるからという理由だけで採用された男子学生たちが、あまりにもレベルが低すぎたために企業がこりてしまっているからだ。企業にはいま一度考えなおしてもらいたいものである。