男は外見の「劣化」を気にするが、対策はしない
では、外見重視の男たちはどのようにして自分磨きをしているのだろうか。と、調べてみたが、案外サボっているケースが多い。
例えば、毛髪について。
薄毛や抜け毛を多少なりとも気にしている男性は1030人中、半数近く。にもかかわらず、薄毛対策として育毛剤などの商品を使ったことがない人が45.2%と半数近くもいる(AGAスキンクリニックによる薄毛に関する意識調査)。
また別のアンケートを見ると、スキンケアやヘアケアに6割近くの人が多少関心を持ちながらも、対処をしている人はほとんどいなかった(インテージによるビジネスパーソン意識調査「男性の美容意識」)
▼自分は「実年齢より若く見える」と勘違い
男性はニオイより外見が重要。そう考えていながら、外見上の劣化が気になっても対処できていない。矛盾している。彼らが対処しない理由は何か?
同調査における回答を見ると、白髪、乾燥・かさつきに対しては「そこまでの必要性を感じないから」(各4割程度)、薄毛や肌のハリ・たるみは「対処法が分からないから」(各3.5割)だそうだ。
一方で、同調査で「自分は実年齢より若く見える」と答えている人が約4割もいたことを見ると、「まあまあ、今のままでも大丈夫だろう」とあぐらをかいているフシが見受けられる。
公務員のタカシさん(41歳・既婚)は白黒のゼブラ髪。外見ケアに関してこう語る。
「最初は白髪が気になったけど、白髪染めの美容院に通ったりシャンプーを使ったりするのが面倒になって、今は完全放置。誰にも指摘されないってことは、許容範囲だと思うんですが?」
もちろん、自己認識(本人=「今のままでも悪くない」)と現実(周り=「老けてるな~」)とのギャップがなければそれでいい。が、往々にして自分については自覚がないもの。
見れば分かる顔のテカリと違って、ニオイにおいては極めて自覚しづらい。しかも、他人にあまり指摘されない(男性の友人・知人をクサいと気になったことがある女性は200人中156人。それを伝えた人は25名、伝えなかった人は131名!)。
約84%はクサいと思っても、それをただ我慢しているということなのだ。
「年相応に見えるはずで(ケアの)必要性を感じないんだよね、感じてもケアするのは面倒くさい」などとのんきに構えている今この瞬間にも、異性はじわじわとあなたから離れていっているのかもしれない。
いや、もしかしたら異性だけでなく、同じ男性でもそのクサさに閉口し、また冒頭で銀座ママが分析したように周囲への気遣いができないという印象を持つ者も少なくないのではないか。だとすれば、どんなに仕事がデキる人でも、ニオイが出世の命取りとなる可能性は否定できない。