【Q1】出世する人はどれか
同期入社の仲良しトリオ。社内のうわさでは次期取締役候補はこの3人に絞られたようだ。さて、誰が選ばれるだろうか。
 

出世する人に共通する顔の特徴とはなにか。その答えをCEOに求めよう。CEOはもっとも出世した人物だからだ。

私は2006年のフォーチュン500の上位と下位の各25社の男性CEOの顔写真を被験者に見せて、さまざまな特質について評価してもらった。するとパワフル(力強さを感じさせる)な顔のCEOは収益の高い会社を経営していることが多いことがわかった。逆に言うとパワフルではない顔のCEOが経営している会社の収益は低いということである。CEOの顔を見ただけで会社のパフォーマンスが予測できるということだが、さらに興味深いことに、パワフルな顔を見せたときに被験者の脳の特定の部位(脳の左側にある扁桃体)が活発になるということもわかった。最初からそういう顔をしているのか、経営がうまくいくにつれてそういう顔になるのか、は議論の余地があるが、少なくとも現在高い収益を挙げている会社を経営しているCEOの顔にはパワフルな顔が多いのである。

ある人がある人の顔を見て、パワフルと感じるかという主観的な方法で企業の収益性を予知できたわけだが、CEO自身の客観的な顔の特徴から予知することはできないだろうか。

その疑問の答えを求めて、ウィスコンシン大学の研究チームは、フォーチュン500の企業の男性CEO55人の写真を調べた。具体的には各CEOの顔の長さと幅の比率を測定した。

顔の幅の広さは、男性の攻撃性と密接につながっている特徴である。もちろんCEOが必ずしもすべての決断をひとりで下すわけではないので、会社の経営陣が決断にどの程度関与するのかという影響はある。顔の幅が広いCEOが経営陣より攻撃的で、経営陣がCEOの意見を尊重して、権限をゆだねるからであろうか、顔の幅が広いCEOが経営している会社ほど、会社の業績がよいことが統計的に判明している。

さっそくあなたも自分の顔を見てみよう。顔の幅が広ければ、部下はあなたの意見を尊重してついてきてくれる可能性大だ。出世は近い。


右はGEのCEO、ジェフリー・イメルト
[解説1]「横幅が広い顔」は出世する(答え:A)
ポイントは2つある。まず第1は「ひと目見たときに力強さを感じさせる顔」かどうかだ。2つ目は「顔の幅の広さ」で見分ける。実験により統計的に「顔の幅の広い」経営者ほど会社の業績がよいことが明らかになっている。典型例として、ゼネラル・エレクトリック社のCEOジェフリー・イメルトが挙げられる。