次に「結婚が長続きする顔」を教えよう。私は2つの研究・調査を行った。
同じ日に結婚した2組のカップル。入籍の記念に撮影した写真だ。末永く幸せな結婚生活を送ることができるのはどちらか。
1つ目は、65歳以上の老人に若いときの写真を提供してもらい、ひとりの相手と結婚を続けている人と離婚経験のある人の顔を比較するという調査だ。写真が撮影されたときの平均年齢は10歳である。
驚いたことに写真は離婚を予測していた。もっとも晴れやかな微笑を見せている人が、顔色を変えていない人と比べると著しく長く結婚を継続させていることがわかった。
結婚を継続させている人たちの笑顔は、頬を持ち上げる筋肉だけでなく、目のまわりの筋肉である眼輪筋も完全に収縮していたのである。この筋肉が収縮すると、目のまわりにしわが寄る。離婚した人たちの笑顔は、眼輪筋が収縮していない傾向にあった。これはつくり笑いに近い。
私はさらにこの調査を卒業アルバムの写真に適用した。
何百枚もの写真をこの2つの筋肉が動いているか確かめてから、20代前半から80代後半までの卒業生に結婚が破綻したかどうかを尋ねた。
その結果、笑っていなかった顔の人は晴れやかな微笑を浮かべていた人と比べて、5倍の確率で離婚していることがわかった。
顔に表れた一瞬の感情で、どうしてその人の結婚生活の行方を予測できるのだろうか。笑っている人はそうでない人と比べると楽観的で幸せを感じていることがわかっている。その幸福感が夫婦の関係に影響しているのかもしれない。あるいは、卒業アルバムの撮影のときにカメラマンからスマイルと言われて、その通りにすることができる人は、従順な性格をしているのかもしれない。従順さは結婚を安定させる重要な要素である。
男女の仲を保つのも大変なら、パートナー選びも大変だ。実は女性が男性と初めて出会ったとき、その男性が恋愛対象となるかどうかは、即座に男性の顔立ちを見て判断しているのだ。ご紹介しよう。
女性が男性の顔に求めるのは「左右対称」だ。男性の顔が左右対称であればあるほど、精子は良質で、健康状態も良好であることがわかっている。本来なら、人体における左右の細胞は、左右対称になるように同比率で成長し、分裂することになっている。だが、病気や怪我から生じる遺伝子の異常やストレスなど、さまざまな要因で体は非対称になる。左右対称な男性であればあるほど、ストレス要因に打ち勝つ生理的能力を持っていると見なされるのだ。生殖相手候補として、女性が左右対称の男性を求めるのは、いい遺伝子を残したいという生物の本能にほかならない。
ポイントは2つある。1つ目は「本当の笑顔」かどうかだ。見極めポイントは目のまわりのしわ。つくり笑いの場合にはできない。笑っていなかった顔の人は笑っていた人と比べて、5倍の確率で離婚する。もう1つは、「左右対称の顔」であるかどうかだ。右の顔の場合、左右非対称である。女性は優秀な遺伝子を求めるが、顔の対称性にそれが表れるのだ。