古典を学ぶことは「時間の節約になる」

私はスタッフ10人余りの小さな会社を経営していますが、採用に際して、ときどき「昔からの友人はいますか」と聞くことがあります。人を裏切る人には昔からの友人がいません。とくに、利害関係のない昔からの友人と続いているというのは、人としてとても立派なことです。

古典を読むことで、自分の正しい生き方を学び、人を見る見方も変わってきます。もし、こういう古典の言葉を知らなかったら、大変痛い目にあってようやく目が覚めるかもしれません。でも、先に学んでおけば、どういうふうに生きるのが正しいかが分かります。

また、万一、自分が間違った方向に進んだ際にも、歯止めがかかるのではないでしょうか。さらには、人を見る際にも、単に一時的にうまくいっている人なのか、それとも長続きする人なのかがよく分かります。

『論語』に「学ぶにしかず」とありますが、無手勝流で暗中模索しながら生きるよりも、昔から普遍的に正しいと言われていることを学ぶほうが、大いなる時間の節約であるとともに、これから先の人生をより豊かに、幸せに生きられるのではないでしょうか。

経営コンサルタント 小宮一慶(こみや・かずよし)
1957年生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行入行。86年米ダートマス大学経営大学院でMBA取得。帰国後、経営戦略業務などに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役就任。96年小宮コンサルタンツ設立。企業経営の助言の他、講演や執筆も。最新著は『松下幸之助 パワーワード ―強いリーダーをつくる114の金言』(主婦の友社)、『小宮一慶の1分で読む!「日経新聞」最大活用術 2015年版』(日本経済新聞出版社)、『No1コンサルタントが教える 20代の後悔しない働き方』(青春出版社)、『一流に変わる仕事力』(中経出版)など。
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