個人の力では抗いがたい辛い現実の中で、生きていかざるを得ないとき、『列子』は、現代人とそっくりな着眼点からその対処法を考え出していた。

それは、こんな話に示されている。

周という国の尹(いん)氏は、蓄財にとても熱心な人物だった。召使いたちは、一日中こき使われ、休む暇もなかった。