6年と10年では教育成果が違ってくる
【三宅】次に、変わる学校の英語教育についてお聞きしたいのですが、現在、文部科学省では、学習指導要領の改定論議が進んでいます。小学校3年生からの英語必修化。それから5年生からは教科になる予定です。また、中学校の英語の授業も英語で教える。そして高等学校は、いまも英語で英語を教えることになっています。
私どもの教室にも、子どもの生徒さんがたくさんいます。その子どもたちの保護者は「やはり英語は小さいときから習ったほうが良い」というようなご意見の方が多い。それに関しては、本間さんはどのようにお考えでしょうか。
【本間】本当に早ければ早いほどいいのかどうかというのは、研究者の間でも意見が分かれています。ただ、慣れるという意味では私はいいと思います。小学校で3年生から外国語活動導入、5年生から教科化ですよね。ということは、これまで中高6年間でやらなければならなかったカリキュラムに、プラス4年できるわけです。例えば、同じ「100」の量を6年でやるのと、10年でやるのでは、成果が違ってくるのは間違いありません。
【三宅】ほかの教科は小学校でも学んだものが、中学校に続いていく。国語にしても、算数・数学にしても、理科にしても、小学校で素地をつくって、中学校でさらに深く学ぶわけですが、英語にはそれがありませんでした。中学校1年生で、いきなりアルファベットに接し、文法を学んで、発音も学ぶ。これはなかなか大変で、最初はみんな、英語に興味津々なのですが、数カ月すると嫌いになる生徒が多くなってしまう。
私どもも多くの子どもたちを見てきましたが、やはり子どもたちは小学校のときから、文字に興味がありますし、書くことにも興味があります。小学3年生になるまで、英語を教えないということではなく、好奇心がどんどん出てくる時期に、英語を読んだり、書いたりしていくことを教えるということは、とても意義のあることだと思っているわけです。
イーオンで非常に人気がありますのが、3年生からの週2回のコース。1回は会話のクラス。もう1回は読み・書きのクラス。5年生からは週1回、会話のクラス。もう1回は文法のクラス。ただ、文法は従来、中学校で教えたようなものとはまったく違って、会話をする中で、子どもたちがそこに一定の法則を見つけていくというものです。現在完了などという言い方をしなくても、感覚で分かるのですね。
それを見ていると、子どもたちの能力は無限だと感心します。だから、いきなり小さいときから難しい文法を詰め込むのではなくて、自然に英語に慣れていくことから入って、だんだんと知識を増やしていく。そうすることで、子どもたちもすごく興味を示して、一生懸命に取り組みます
【本間】スパイラルで学んでいくということができると思いますので、そういった意味で意義はあると思いますね。