若い人には、もっと好奇心を持って外に出てほしいですね。仕事以外の世界を持つと新しい発見があり、それが仕事に活きることもあります。たとえば自動で便座カバーが開く公衆トイレを見て、「複写機に人が近づいたらスタンバイモードからマシンが自動で復帰してくれたらおもしろい」と製品開発を指示した経験もあります。幸い、いまは何を始めるにしてもそれほどお金はかからないし、ネットの発達でノウハウも学びやすくなっています。障害になるのは時間だけ。忙しいと嘆くのではなく、積極的に仕事を効率化して自分の時間を増やすべきでしょう。
趣味は上手なほうが楽しいので、やるならとことんやったほうがいい。私はすぐ師匠をみつけて習いに行きますが、それが難しいならYouTubeを活用しては。コツを教えてくれる動画がたくさんアップされています。何を隠そう、私もクロールの泳ぎ方はYouTubeで習得しましたよ。
1945年、神奈川県生まれ。山梨大学工学部卒。68年富士ゼロックス入社。2002年専務執行役員。07年社長、富士フイルムホールディングス取締役。15年7月より現職。ヨット、釣り、音楽鑑賞など多趣味。