一方、直販系投信会社でも資金が不安定なところも散見される。基本的に純資産総額が30億円以下のファンドは、運用を継続することが投信会社にとって赤字要因になるので、繰り上げ償還リスクが高まる。
クローバー・アセットマネジメントは月次の資金流出月が目立つ。同社が運用する4ファンドの純資産総額は、全部合わせても63億7700万円と少ない。ユニオン投信の「ユニオンファンド」も、運用開始から6年半が経過したにもかかわらず、純資産総額はたったの35億円。同様にありがとう投信の「ありがとうファンド」も資金流出月が多い。直販系投信会社の先駆けとなったさわかみ投信の「さわかみファンド」も、純資産総額こそ3226億円と断トツだが、2013年以降、資金流出が続いている。
このように、今、同じ直販系投資信託会社の中で、さらに選別される動きが出ている。長期保有を前提にした場合、運用の継続性は何よりも重要だ。直販系投資信託会社のファンドを購入する際も、せめて資金の流出入くらいはチェックするべきだろう。このデータは総合金融サイト「モーニングスター」でチェックできる(※2)。
※1純資産総額…株式、債券、現金といったファンドの資産から負債を差し引いた額。
※2「投資信託」→「ファンド名で検索」→「ファンド名入力」→「ファンド名クリック」→「リターン」→「月次資金流出入額」という順番に入力すれば、グラフで資金流出入状況が確認できる。