「不測の事態に対しては、現場で判断するのが望ましい。そのためには、判断に必要な情報を事前に共有しておくことが重要です。事前に会議の全日程を通したシミュレーションを数時間かけて行いますが、それも現場と情報共有するためです」

現場で判断できないことは秋山氏のところに回ってくる。主催者の判断を仰ぐべき問題も起きるが、主催者に回すかどうかも含めて、瞬時に判断して処理することが会議の円滑な運営につながるという。

「ディレクターとして喜びを感じるのは、会議がアクシデントなく終わったときでしょうか。リスクに備えて準備してきたことが無駄になりますが、それでもいい。会議が無事に終わったということは、最高の段取りができた証拠ですから」

【QUESTION】段取り上手と段取りベタどこが違うのか?
全体が見えているかどうか、で変わると思います。例えば自分のパートの情報を自分だけでなく周辺に伝えておけば、何か不測の事態があって、自分だけではどうしようもなくなったときすぐ周りが対応できる。逆に自分が情報を提供されたときは、ただ聞くだけで終わる人はダメでしょう。情報をもとにリスクを想定してプランをつくる人が段取り上手です。
コングレ コンベンション事業本部 チーフディレクター 秋山晴近
国際会議の企画から当日の運営、参加者対応、予算管理までトータルにサポート。2008年のG8閣僚会合、10年のAPEC関連会合、12年IMF点世界銀行年次総会など数多くの大型国際会議、式典を担当。
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