すぐ怒鳴ってしまう人の「5つの理由」

3. Aさんの怒りのビリーフに火がつくとき

Aさんは、とても穏やかで見るからに優しい30代の男性です。

友人同士で付き合っている分には、声を荒げて怒っているところを1度も見せたことがありません。しかし、このAさんの悩みは「つい、息子に怒鳴ってしまうこと」なのです。

とても意外な悩みでした。

息子が片づけをしないときに、ついカッとなり怒鳴ってしまうというのです。本人は、悩んでしまうほど、押さえきれない怒りがわいてきて怒鳴るわけですが、なぜそうなるかというとビリーフが強く影響しているのです。

分析プロセスは省いて、結論からいうとAさんには次のようなビリーフ群がありました。

・いつも部屋は片付いていないといけない
・片づけができない人はダラしない
・散らかった部屋にいるとダラしない人になる
・子どもは親のいうことをきくべきだ
・子どもは厳しく怒らないと言うことをきかない

これら5つのビリーフを持っていると、何度言っても子どもが片づけしない状態に怒りがわいてくるわけです。

ただ、このように言葉にしてみると、Aさんの心の中がよく理解できるのですが、私たちは言葉でビリーフを認識することはありません。無意識の中にプログラミングされていて、自然に発動されるものだからです。

結果として、ビリーフが良い状況を作る場合もありますし、悪い状況、やめたいのに辞められないという状況を作り上げることもあります。

4. 三つ子の魂百までは本当

では、このビリーフはいつ作られるのでしょうか?

私たちはこれら大半のビリーフをごく幼少期に形作るといわれます。

私たちは、生まれて物心ついたときから、自分の身を守るため、親から見放されないため、集団から阻害されないために、様々な体験からビリーフを作り上げます。

これらのビリーフを持つことで、環境や出来事に対応しようとするのです。結果的に時代背景や家庭環境、親の影響を強く受けることになります。