なぜ富裕層は高級外国車を頻繁に乗り換えるか

たとえば、高級車ベントレーの新車を6年払いで買います。

本体、オプション、税金、自賠責保険を入れて約2700万円、これを6年払いですから月々37万円ほど払えば買えます。年収1200万円の人ではかなりきついかもしれませんが、年収3000万円(手取り2100万円)の人なら、月額175万円の手取りですから払えないことはないです。維持費も、まあ払えない金額ではないです。ただし、この人はこれを6年間払ったあとで残るのは、やっとローンがなくなった6年落ちの中古車だけです。

富裕層は違います。ほとんど走行距離のないベントレーの中古車をわざと買います。

自動車の法定耐用年数は6年です。中古資産が法定耐用年数の一部を経過しているとき、

耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×20%(1年未満の端数切捨て。最短2年

仮に4年落ちの場合、

6-4+4×0.2=2.8

約2年間で、数千万円分の経費を落とすことができます。

まあ、自動車ディーラーの保証がついている3年以内のものにするか4年落ちにするかはそれぞれに考えるところではありますが、簡単に言えば2年ごとに経費でベントレーを買い換えても問題ありません。

つまり、ベントレーを買う行為は同じですが、普通の人が見ている世界と、富裕層が見ている世界は違うということです。

世の中には汗水たらして働いたお金でやっとの思いで外国車を買う人たちと、節税のためにしょうがないから2年ごとに買い換える人たちがいます。

高級外国車を頻繁に乗り換えている人たちが、なぜそんなことが可能であるのか。そこに思いが至らなければ、富の扉は永遠にその人に閉ざされるでしょう。

同じことが、クルーザーや別荘でも言えます。富裕層にとって、これらは福利厚生費用であり、節税の一環なのです。だから、全然経済的負担にはならない。年収3000万円程度で富裕層と見栄を張り合って競っているように見えても、それは「周回遅れ」だよという話なのです。傍目からは同じように「お金持ち」に見えても次元が違うのです。

この「高収入貧乏の谷」を超えて、働かなくてもそれらのオモチャが節税で手に入るようになるまでは、「入るを量りて出ずるを為す」ことが大切です。

この年収3000万円くらいまでの「高収入貧乏の谷」を超えるためには、必要最低限の生活費以外の全可処分所得を運用に再投資しなければなりません。

長期間の時間をかけて富裕層になった人はこの谷を通り抜けて来ているため、生活は質素そのものになっていきます。先ほど年収750万円の公務員の家庭は富裕層になる前提条件を備えているといったのはまさにこの点です。ただし、彼らは全可処分所得を貯蓄には振り向けていても、再投資はしていませんが。

それとは違って、IPO(新規公開株)などで一晩にして資産家になったような人はこの谷を通り抜けないでいきなり金融資産が増えてしまったため、生活は派手になります。

その意味で、時間をかけて富裕層になった人とそうでない人は、同じ富裕層でもライフスタイルにかなりの違いがあります。

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