「フランスパンを1~2cmに切って食べさせて、口の動きを見てください。牛が反すうするときのように、モグモグと動かせていたら大丈夫です。しかし、クチャクチャと口を動かし、いつまでもパンがなくならないようなら要注意。『奥歯ですり潰すようにして食べてごらん』と具体的に教えましょう。いま歯並びが悪くても、かみ方を直せば永久歯が完全に生え替わる小学5年生くらいまでなら、改善の可能性があります」

ところで、そもそも、なぜ「縦がみ」の子供が増えたのでしょうか。その原因はどうやら母親の過保護にありそうです。

「これは硬すぎる、大きすぎるだろうと母親が食材に手を加え過ぎることで軟食化が進み、かまなくても食べられる食環境をつくってしまい、さらにこれが偏食へとつながります。いつまでも“離乳食”ではなく大人と同じものを食べさせてください。ゴボウやレンコンなどの根菜類、野菜のスティックサラダなどはおすすめです。サンドイッチのパンの耳も捨てずに食べさせるなど、食材の大きさと硬さを工夫してみてください」

口の中でとろける料理もいいですが、かめばかむほど味が出る、そんな食生活に転換するのも良さそうです。

(教える人:葛西一貴(日本大学教授、歯学博士、公益社団法人日本矯正歯科学会管理指導医))
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