寝苦しい初夏。布団を蹴とばし、何もかけずに眠っている子は多いのではないだろうか。

「温度変化の激しい梅雨時や熱帯夜こそ、注意したいのがお子さんの寝冷えです。暑い夜でも汗が蒸発すると、特に二の腕や膝から体温が奪われて、寝冷えをしやすくなります。もちろん冷房による冷やし過ぎにも要注意です」

そう指摘するのは、睡眠と冷え症の問題に詳しい医学博士で健康科学アドバイザーの福田千晶先生。二の腕と膝が冷えやすいのは、皮膚に近いところに太い血管が通っているからだ。

「冷えが大敵なのは、体の免疫力を低下させるためです。体温が1℃下がると免疫力は約30%下がり、ウイルスや細菌に対する攻撃力が弱まって感染症にかかりやすくなります。おなかを冷やすと、すぐ下痢をするお子さんもいますよね」

また、寒さや暑さを感じて、たびたび目が覚めることで寝不足にもなりがちだ。「睡眠不足になると、集中力が低下しますし、体温の調節がうまくいかなくなって、昼間、熱中症にもなりやすくなります。夏は日照時間が長いために、ついつい夕食や就寝時間が遅くなるので、生活のリズムを崩さないようにしましょう」

では、夏の夜に、暑さによる寝苦しさと寝冷えを避けるにはどうしたらよいのだろうか。

「二の腕と膝を露出しない五分袖五分丈ズボンの薄手のパジャマを選ぶとよいでしょう。寝冷えをしやすいお子さんには、首からも体温が逃げないように、襟のあるパジャマを着せてみてください。汗をかいた後は急に体温が下がって寝冷えにつながりやすいので、裸やノースリーブと短パンなど、露出が多い状態で寝るのはNGです」

五分袖のパジャマがなければ、お父さんやお母さんのものなど大きめのTシャツで代用しても。浴衣や甚平などの寝巻もOKだ。

さらに、おなかの上だけでもタオルケットをかけ、夜中に涼しくなったときに備えて、薄手のかけ布団を近くに置いておくと安心だ。