おいしい野菜づくりは、まず土から
つまり、現場で起きたことは上司の責任であり、現場がやるべき仕事を正しくできるようサポートし、コミュニケーションを図っていく責任が上司にはあります。その責任をまっとうすることが、「部下に背中を見せる」ということなのです。
部下は上司のことをよく見ています。逆に、上ばかり見ている上司は、部下のことがまったく見えていません。部下を育てたいのなら、部下に関心を持ち、部下が意欲的に仕事に取り組める環境を整えることが肝心。つまり“手をかける”ことです。
野菜を育てる場合と同じで、おいしい野菜を育てるには土づくりがいちばん大事だと言われるように、人を育てるにも環境が大事。環境づくりにどれだけ手をかけられるかで決まると言っていいでしょう。そして、つねに部下に見られている意識を忘れないことです。
セーレン会長兼最高経営責任者
1940年、福井県生まれ。62年明治大学経営学部卒、同年福井精練加工(現セーレン)入社。87年社長就任。2003年より最高執行責任者(COO)兼務。05年より最高経営責任者(CEO)兼務。05年に買収したカネボウの繊維部門をわずか2年で黒字化させる。14年より現職。セーレン http://www.seiren.com/