「ケイハンナバレー」に注目が集まる!?
「真のグローバル企業」を目指すサントリーは、2020年にグループ総売上高4兆円の目標を掲げる。14年度の売上高2兆4552億円の約1.6倍の規模だ。
これまでサントリーグループは大型のM&A(合併・買収)を重ね、規模を拡大してきた。2014年にはバーボンウイスキー「ジムビーム」を持つ米スピリッツ大手のビーム社、13年には英製薬大手グラクソ・スミスクラインの飲料事業、09年には炭酸飲料「オランジーナ」の仏飲料大手のオランジーナ・シュウェップス・グループなどを買収してきた。今後もサントリーは意識もカネもヒトも世界に向けていく。
サントリーにとって世界で通用する新たな商品を生み出すことが世界企業への飛躍の道だ。
「グローバルで戦える商品をつくるためにはシーズが必要だ。シーズをおさえないと(他社に)マネされる。競争に勝ち抜ける差別化をしていきたい。海外との連携も重要だ」(新浪社長)
そのカギの1つが「オープンイノベーション」。国内外のグループ企業の相互交流を深め、技術やノウハウも積極的に取り込んでいくほか、大学や研究機関が集まる「けいはんな学研都市」という立地もいかして、周辺の研究機関などとの「知の交流」を促すための「コラボスペース」も設けている。
特に力を入れていくのは健康長寿の分野だ。これまでゴマのサプリメントや特定保健用食品のお茶などの実績がある分野で、新製品開発に特に力を入れ、アジアや欧米に展開する戦略を描く。
「健康長寿の商品は海外で評価される。ここをおさえるということは世界一を狙える。その需要が日本にある」と、新浪社長は強調する。
「やってみなはれの根本はR&D。ひょっとしたらノーベル賞が出るかもしれない。わくわくするような研究をサントリーがやっていきたい」
もはやシリコンバレーではない、「ケイハンナバレー」が注目される日も近い!?