21比較的負担小・胆道ステント
胆管が閉塞したとき、消化管内視鏡を使って胆管に挿入するチューブ。身体への負担は比較的少ないので、「数カ月単位で延命できるならば検討する」。

22なかなか退院を認めない
病院医師は「敗北」を認めたがらない。しかし抗がん剤治療は撤退のタイミングこそが最良の延命治療になりうる。頑迷な医師よ、患者本位に意識を軟化させるべきだ。

23緊急以外の中心静脈カテーテル
首、肩、足の付け根などから挿入する。挿入時に出血などのトラブルもありうるし、入れっぱなしになるため、感染で使えなくなる危険性も。「使用は緊急時に限りたい」。

24治療のテコ入れをしない
処方どおりの投薬をしても症状が改善しないにもかかわらず、治療方針を是正ぜず、同じ種類、量の薬を出し続ける。つまりは怠惰。カルテのみを見ている証拠。

25胸の出血リスク・胸腔カテーテル
水を針で抜く場合、数日に1回の割合で穿刺しなければならず、胸の出血や肺に穴が開くリスクがある。「無駄な点滴をしなければ胸水はそこまで溜まらないのではないか」。

26避けたい・尿道カテーテル
病院が比較的容易に挿入する。患者さんがおむつを拒否する場合に使われることも。「挿入の煩わしさよりも排尿の苦しさのほうが大きい場合は、使うかもしれない」。

27医者が紹介する医者
医者が入院したとき、普段褒めている医者とは別の医者に担当を依頼した、というのはよく聞く話。医者はしがらみが多く、医者の紹介する医者が信用できない場合もある。

28医師の「頑張りましょう」
とりあえず治療を継続したい医師が頻発する言葉。頑張って完治するならば結構だが、疲弊した患者に「頑張れ」と言うのは思考放棄。患者の状態を正視していない証拠。

29PTCD・胆汁チューブ
皮膚から直接胆管にチューブを入れる。胆汁は1日数百ミリリットル流れ出るので、チューブの先にボトルをぶら下げる。「よほどの長期延命効果があっても辞退します」。

30よほど苦しいのなら胃管
鼻から胃まで入れるチューブ。完全拒否の患者さんも多い。「できるならやりたくないが、余命1カ月でよっぽど苦しんでいたらお願いするかもしれない」。

緩和ケア診療所「いっぽ」医師 萬田緑平
1964年生まれ。群馬大学医学部卒業。群馬大学附属病院第一外科に所属。2008年、緩和ケア診療所・いっぽの医師となる。
(構成=須藤靖貴)
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